日光東照宮 最新情報 平成28年 日光東照宮 御鎮座 四百年

松平容保宮司の明き心

2012年12月27日

 明治時代に松平容保宮司がしたためた扇面和歌が当宮の宝物館にあります。中禅寺湖を寿いだ次の歌が記されています。

  「中宮祠にてよめる
          容保
   紅葉するあきのけしきはいかならむ
   さらてもあかぬ幸のみつうみ」

 「中宮祠」とは、中禅寺湖の畔にある二荒山神社中宮祠のこと。松平容保宮司は東照宮の宮司と二荒山神社の宮司を兼ねていたので、中宮祠に行く機会があったのでしょう。歌の中に出てくる「幸のみつうみ」は中禅寺湖のことです。意味は次の通りです。

  「紅葉の秋の景色はどれほど素晴らしいことだろう
   いや、紅葉の季節でなくても見飽きないほどの
   幸の湖(中禅寺湖)であることよ」

 ここで注目したいのは、歌の中に「幸のみつうみ」とある点です。実は、この「幸のみつうみ」は明治天皇のお言葉を踏まえたものでした。明治天皇は全国を御巡幸されましたが、明治9年には日光を訪れ、その際に、中禅寺湖をお誉めになって、「幸の湖」と呼ばれたのです。松平容保宮司は、この明治天皇の国誉めのお言葉を詠み込むことで、中禅寺湖に対して、最上級の賛嘆をしたのでしょう。
 松平容保宮司といえば、幕末の混乱期にあって、孝明天皇からの親任最も厚く、陛下からいただいた御宸翰と御製を生涯大切に所持していたことが知られます。
 当宮の扇面和歌からも、松平容保宮司が常に御皇室への敬慕の念をお持ちであったことが伺われます。(Y.Y)

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