日光東照宮 最新情報 平成28年 日光東照宮 御鎮座 四百年

 当宮では五重塔公開にあたり、拝観者のご意見や感想を伺おうと記帳用ノートを置いています。そのノートを覗いてみますと、おおむね、五重塔内部を拝観出来たことの感激や江戸時代の匠の技への賛美、当宮職員の態度への賛辞や文句が記されていますが、中には変ったご意見も散見されます。たとえば、
「私は五重塔みたいな女になる!?」
との記述。
「何だ、これは。」
と思って、ページをめくっていくと、
「心柱のような女になりたい。」
と言う女性も現れました。五重塔のようになりたいという男性はおりません。

 そこで考えてみると、自分なりに合点がいきました。
 まず、五重塔は色鮮やかで美しい。心柱などは金箔がはられてキラキラ輝いている。
 そして当宮の五重塔は他に比べてスマートです。五重塔は古いものほど「どっしり」していますが、後世のものは「ほっそり」しており、江戸時代後期にできた当宮の塔はその極み。元東京藝術大学学長の澄川喜一先生は「ここ(日光東照宮)の塔は細くて逓減率が少ない。太い鳥居や御社がある環境の中で、周囲と調和してスーッと建っているのは、本当に美女がすっくと立っているような良い立ち姿」であるとおっしゃいました。
 さらに、足元を揺さぶられても、外から煽られても、しなやかに身を処して、やり過ごす。一方で、内部には一本しっかり芯(心柱)が通っていて、大切なもの(相輪部分)を支えている。外部(塔身)と内部(心柱)とが分離しているから、全体にダメージを受けることがない。
 と、こう考えていくと、なるほど、現代の女性の理想像なんですね。

あくまで個人的見解ですが、「五重塔のようになりたい女」は増えていくと思います。(Y.Y)