| 日光東照宮の建築に籠められた思想は、神威の昂揚とその記念性・永遠性を以って多くの参詣を受け入れる点にあり、建築意匠の全体を貫く統一的な表現方法において、漆塗・彩色・錺金具などの外装に多くの技術を投入する特徴があります。 この建築表現の特性により、精彩を常に維持するために数十年足らずの短い周期での、絶え間ない修理が必要となる建築といえます。 このため江戸時代を通じ、元和創建(1617)以来、徳川幕府による国家を挙げての造替・修理工事が継続して行われ、その壮美な偉容が保持・継承されてきました。なかでも寛永13年(1636)の大造替は、創建時のほぼ全てを一新する大工事であり、その結果今日の姿が完成されました。更に、大造替から半世紀後の元禄元年(1688)からの修理は、本社等の解体をも伴った大工事でした。 このような維持修理工事は、明治維新の体制変革で運営が幕府の手を離れた後も、幾度かの荒廃の危機をのり越えながら、「昭和の大修理事業」(昭和25〜61)を経て今日の文化財修理事業に引き継がれており、この弛み無い行動が建築の価値と共に世界的にも高く評価され、世界文化遺産登録として結実しました。 その後はアフターケアとなる維持補修の事業が継続され、現在は、「昭和の大修理事業」の初期に実施された主要な社殿が修理から半世紀が経過し、外部装飾の劣化とともに木部腐朽の進行も看過し難い状況となり、改めて根本的な経年修理を必要とする節目の時期を迎えています。 このような中で、平成19年度からは新規事業としていよいよ本殿・石の間・拝殿を始め東西透塀、正面唐門など重要な主社殿の工事が予定されており、平成28年(2016)の御祭神徳川家康公400年式年祭記念事業として平成36年(2024)まで、向こう18年間を『平成の大修理』として長期計画の下での修理事業が予定されています。 |
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| 1.事業期間
平成19年4月1日から平成25年3月31日、6ヵ年度継続。
2.対象物件
東西透塀(国宝)、正面唐門(国宝)、本殿・石の間・拝殿(国宝)、簓子塀(附―重文)、神輿舎(重文)、5棟・6件。
3.修理内容、方針
◎ 昭和の修理からは二順目となる経年修理が主。
4.修理工事報告書の全件刊行
◎ 面性(正面、側面)重視あるいは装飾種別(漆塗、彩色、錺金具)特定または建築構成部位別(土台、柱根、屋根、縁等)を主眼にした施工範囲限定修理。 ◎ 工事は漆塗・彩色・錺金具の更新が主となるが、屋根・足元・縁廻り等の木部修理比率が増加する。 対象物件の特異性から改めて報告書を纏める。
尚、同、第一期第二次事業は、平成25年4月1日から平成31年3月31日、6ヵ年度継続で、陽明門(国宝)、下神庫(重文)などの3棟が予定されています。 |
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